姿勢改善をメインに謳っていた時期がありますが、当時は背骨の可動性をみて、
可動性の悪い関節に対してアプローチをするといった手法を取っていました。
昨年から評価を主体的に行い始めて、現在の問題は何か?、その原因は何か?
を探る過程が増えたことで、同時に筋出力、問題の切り分けと視点も増えました。
3月をもってベーシックコースを廃止しますが、これは上記した評価無しでの
アプローチをするより、評価したうえで必要な部位へのアプローチをした方が
直後の体感も持ちも良いと伺うことが増えているからです。
より良い状態を提供するために内容を絞り込むことにしました。
評価を取り入れることで見えてきたこととしてタイトルの内容になります。
ここ最近、『力が抜けない』と仰る方が続いていました。
機能評価から原因を絞りこむと、皆さん同様に背骨周りで背骨を支える筋肉である
脊柱起立筋、多裂筋の反応が弱くなっていました。
私たちは立つ、座るといった姿勢をとる時に背骨を支える筋肉を意識していません。
本来働く筋肉の働きが弱いと、他の筋肉が替わりに背骨を支えないといけません。
それが表面側にある大きい筋肉であれば力が入っているように感じるでしょう。
姿勢を維持するのに使っているため、当然ながら力は抜けません。
無意識下で他の筋肉が働き過ぎることで働きが抑えられている感じです。
これを意識して使おうとしても、無意識に決められている事は容易に変えられません。
今回は検査の手法から肋骨・骨盤と身体を覆うような骨のない腰部中心の
話になります。頚部・胸郭には他要因がありました。
検査を進めていくと、大殿筋、大腿二頭筋が働き過ぎていました。
いずれも股関節を伸展(後ろに曲げ)させる筋肉です。
・股関節、骨盤の安定をさせること
・筋の付着部での力の伝達によって背部にも力が伝え、背部の安定をつくる事
をこれらが働くことで同時に満たしていたと考えています。
とはいえ、本来は姿勢を安定させるために働く筋肉ではありません。
これらをリリースした(緩める?)後で、背骨周りの筋肉をテストすると
脊柱起立筋、多裂筋は共に反応が強くなりました。
各々の筋肉に本来の働きを取り戻させ、補う働きを減らしてあげることで、
皆さんが力が抜けるようになりました。
姿勢を考える時に、背骨のS字カーブのみが取り上げられます。
確かにカーブの数で負担が減るといった話から背骨のカーブは大切です。
しかし、そこだけに注目し過ぎて、背骨・骨盤へのアプローチのみだと
今回のようなケースは改善されません。
元から可動性がある場合は筋肉がただ弛緩されるだけです。
姿勢が正せても、力を入れないと維持できないのは改善ではありません。
ただ背中を緩めて、一時的に姿勢が正せるようにしているだけです。
※パターンにハマる時は力が入る時もあります。
今回は筋出力のみの問題だったので、簡単にまとめましたが、
『関節の動き-筋出力』の2つを組み合わせて評価をしています。
どこにアプローチしたら筋出力、可動性と満足させられるか?を
調べたうえで姿勢を見直していきませんか?