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身体のメンテナンスは何を目的とするのか?
開店前の半年間、京都に出張整体をしていました。
その時から継続して来店下さる方がおられます。
先日、その方が来店された時の話。
「整体って歯科と同じですね」
「痛くならないと来ない」
と聞いて思い出したのは、自分の話。
歯科の定期健診、歯石除去は知人が勤めている時は
半年に1回ペースで通っていました。
が、知人が退職してからズルズルと行かなくなり
久々に伺ったのは歯根の問題が起きた時・・・
問題が起こらないと動かないのは自分も同じ・・・
人のことは言えないなと苦笑いしたのを覚えています。
痛みが無いときも施術を受ける理由
歯科での定期健診・歯石除去に該当するのが
施術でのメンテナンスにあたると考えています。
一般的な整体のイメージでは
「常に骨格を整えておけば・・・」でしょうけど、
当店の考え方は全く違います。
「骨格が整わないなら施術を受ける理由がない」
と仰る方もおられるでしょう。
以前の投稿でも書いていますが、「骨を動かす」から
カイロプラクティックの考え方は変わっています。
(考え方が「骨を動かす」グループもあります)
身体の働きの偏り
普段の身体の働きから生じる偏り
利き手、利き足・軸足といった元々の働きの偏りに
仕事・日常生活での動きの癖、ケガの既往歴などが加わり、
身体の働き方に個人差が生まれてきます。
働きの多い部位の情報はより多く脳へ伝わり、
より多くの命令が脳から送られ、より働き易くなります。
その一方で負担が掛かり皮下組織の状態も変わり易いです。
反対に使われない部位はどうでしょうか?
脳へ刺激が伝わりにくく、より働きにくくなります。
筋肉への刺激も少ない為、筋肉は弱くなり
より働きにくくなってしまいます。
勿論、施術だけでこれらが一新する事はありません。
日常的なセルフケアや生活の見直しも必要です。
日常習慣から生じる偏り
● 常に左手・右手とスマホを持つ手が固定されている
→ 常に視線の向く方向・焦点を合わせる距離が一定
● デスクワーク、モニタに向く方向が一定
→ 仕事場でも家庭でも同様
「目だけを動かして見ているから・・・」と思っている
かもしれませんが・・・目を動かすのも筋肉です。
目を動かす筋肉に関係する要素に影響します。
目と口・顔の筋肉の関係からも
頭を回転させる方向によって、やり易さが変わります。
前述した筋肉の働きと同様に身体の捩じれといった
見た目の崩れにも繋がります。
よく「身体を整える」といった表記がありますが、
施術で見た目が整ったとしても・・・日常生活を全く
変えるつもりが無かったら??
見た目は直ぐに戻りますよね??
メンテナンスを行う目的
当店でのメンテナンスの考え方
身体評価から関節の動きや皮下組織の状態を判断し、
必要に応じた施術する
↓↓
身体の動きやすさ、動きの偏りが見直される事で
●負担のかかり方・身体の働きの修正
●動きにくい部位がより動きにくくなるのを防ぐ
↓↓
●動きからの痛みを感知しにくい状態へ繋げる
●悪い癖が起きにくい状態へ繋げる
といった一連の流れで行う施術をメンテナンスと捉え、
投稿でもチラホラ出てくる脳への刺激といった観点からも
チェックして見直しに繋げています。
表現としてよく使われている『整える』を使うなら
●身体の動き・働きを整える
●身体機能を見直した結果として見た目を整える事に繋げる
●感覚の感知・運動の偏りのを整える
がイメージとして近いのではないでしょうか?
痛み・姿勢をメンテナンスを行うタイミングの基準としない
痛みを基準とすると、痛くなるまで来店が無い事で、
日常生活での動きの偏りが強くなり過ぎる場合があります。
費用を節約しようとする場合によくある話ですが、
「痛みが弱いから大丈夫」と我慢している間に痛みが消える。
また大丈夫だからと放置していく。
でも、痛みを起こしている要因も状態も変わっていない。
「今日は痛みが無いから運動しても良い」もよく聞く話です。
痛みを引き起こしやすい状況を変えないで負荷をかけるのですから、
● 同じ痛みを繰り返すことが多い。
● 無意識に痛みを避ける動作から動きの変化に繋がる
→ 通常のスポーツ動作に影響が出る
→ 他の部位に負担が掛かり、他部位に問題が派生する
痛みが起きた時に問題を把握して対処を勧めています。
姿勢を正せるから大丈夫・・・も「正せてるつもり」が多いです。
主観的な判断は『基準が現状』で常に基準が変化しており、
絶対評価ではありません。
「先日より動かしにくいな」「いつもより目線が低いな」
といった姿勢を正そうとしない状況で比較する方が
整った(?)状態との比較になるのかもしれません。
※『完全に整った状態』は無いと思っています。
同じように動いても、完全に同じ動作はありません。
『立ち上がる➡姿勢を正す』を行っても完全に同じ姿勢に
なる事はありません(厳密に言うとですが)。
まとめ
メンテナンスの目的・手段は店舗・施術者によって異なります。
『何かしらを整える』という点では同じでしょう。
ただ、構造的な変化は機能的な変化ありきです。
歯科で歯を削る、整形外科で手術を受ける・・・は構造的な変化
を伴いますが、徒手や運動で構造的な変化は起きません。
機能を軸として考えないと無理があります。
『歪み』『姿勢改善』を多く見掛けるようになりました。
これも骨を動かすのが矯正・・・と解釈されがちですが、
そんな技術はあり得ません。
構造-機能とごちゃ混ぜにして『整える』となっている。
『刺激に対しての身体の反応(機能)を無視して
刺激を与えた事による(構造)変化に注目させる』
そんなケースがSNS広告でも多いです。
構造→機能と繋がるのは『歯を削る』ような
形状変化以外では起こらないでしょう。
筋肉の付着部を移動させる、骨の形を変える・・・
押圧だけで起きる筈がないですから
余談
先日、銭湯で感じた事ですが、
水温をどこで冷たいと感じやすく、どこで感じにくいか?
を意識してみたところ、感じにくい部位がありまして・・・
同じ水風呂なのに感じにくい部位がある・・・どうして?
これは同じように感じさせる事が出来るか?と
思いめぐらせました。
これは温度感覚ですが、身体の状態に興味が持てるか?
が何よりも大切だという話です。
自分の身体の変化を感じられなければ
「これを基準にして来店ください」という以前の話なんです。
来店中の方の中にも変化を感じにくい方もおられますが、
来店基準を伝えてあり、問題が大きくなる前に来店くださいます。