カイロプラクティックと自律神経
自律神経を掲げる看板が増えてきました。
定義に神経学の考え方を盛り込み始めて3年ですが
未だに『自律神経が整う』の定義も見えません。
自律神経は
交感神経(SNS)・・・活動・興奮
副交感神経(PNS)・・・休息・リラックス
と大きく2つに分けられます。
心拍・血圧・血流・内臓の活動などといった
人が生きていく為に無意識で行われる活動を担っており、
SNS、PNSが活動のバランスを取りながら働いています。
自律神経と脳
自律神経と脳
文献でよく見掛けるのは、自律神経中枢は視床下部で、
主に内臓に繋がる迷走神経が副交感神経活動の中心。
情動の変化によっても、興奮して心拍が上がったり
身体に変化は起きます。これらから情動に関わる部位も
自律神経に関わるとして繋がりが描かれています。
環境に適応させて、身体の機能を変化させるためには
外界の情報を正確に把握する必要があるからです。
視覚で寒暖を捉えたり、耳から圧感知したり・・・と
いった感覚も自律神経に関わるとも解釈できます。
「自律神経をコントロールしている部位」があって、
そこだけ上手く調節できれば整う・・・
といった安易な話ではありませんし、
〇〇すれば自律神経が整うといった話でもありません。
なので、安易に『自律神経を整える・・・』と書いている
根拠は何だろう??と思うのです。
カイロプラクティックと脳
身体への刺激が脳にどう影響しそうか?といった
研究をされているグループがあり、
刺激を加える事で特定の脳部位に影響がありそう
といった話なども伺いました。
↓↓
ただし、その脳部位が自律神経に関わっていようが
脳部位と自律神経の関係 → 自律神経が整う
といった直結はされません。
自律神経にどう影響するのか?は別途調べる必要が
あるそうです。
現段階で分かっている事はまだまだ少なく、
表面をかすっている程度だそうなので、
結果的に手技による刺激で自律神経に影響が
あるのか?ないのか?はまだまだ先の話。
分かっている事が少ない事も含めて、これらの
情報を得ることで自分の提供が何に影響しているのか?
を常に知ろうとする姿勢は必要だと思っています。
関節への刺激と脳の関係
看板で見掛けるような「骨格を整える」ような
骨を動かすような提供はないといわれています。
筋肉や関節への刺激が脳に伝わり、
刺激を基にして運動・認識が変わります。
変化した運動刺激を加えた結果として
骨の通常位置が変化する・・・かもしれません。
でも、施術そのものが骨を動かして
位置を整えている訳ではありません。
これと同様のことが自律神経にもいえるのでは?
と受講しながら改めて思いました。
「自律神経を整える」・・・何が変化してるの??です。
当店での自律神経に関連する提供
自律神経を評価する方法はいくつかありますが、
1心拍あたりの時間計測を姿勢を変えながら行い、
そこから自律神経の働きを評価を行う
フィットネスツールを昨年から導入しています。
※このセミナーでは別ツールが紹介されました。
約5分程度の評価になりますが、
日常生活のヒアリングや何らかの検査で
「バランスが崩れてます」と言われて
施術後に「整いました」と言われるより
丁寧な対応だと思っています。
※他にも評価項目はいくつか持っていますが、
細かい話になるので割愛します。
約1年間活用してきての施術前後比較では、
●交感神経の抑制
●副交感神経の亢進
の傾向がみられるケースが多いです。
ただし、あくまでも施術直後の話です。
●何かしらで感じているストレスが強い
●帰宅後に残務処理をパソコンで行う、
●ゲーム・SNSでスマホの画面を長時間凝視する
といった交感神経の活動を優位になる行動を
長時間連続して行った場合は整ったとしても
バランスは元に戻り易いと考えてます。
要は、施術で整おうが日常生活が変わらなければ
自律神経は通常状態を維持してしまいます。
それを変えていくためのアドバイスもしていますが、
ストレス、変えられない環境なども人それぞれあるので
「これをしたから・・・」と単純なものではありません。
とは言及しておきます。