6、7年間、勉強会に通い続けた先生が渡米されます。
その先生主催の渡米前最後のセミナーでした。
思えば・・・あの時に大阪受講を決めなければ
『今、どんな施術をしてるのだろう?』と思います。
色々な手法がある中で様々なコンセプトの中から
良いものをピックアップして教わったのは、
これから先も財産になると思っています。
そこから省かれた内容も必要な要素ではあるので、
今後、受講するなり独学するなりで学んでいこうと
考えています。
学んできたのは『効果的に使える要素』で全てではない。
自分でどこまで受講するのか?は置いといて、
『これが全て』と思ったら私が終わります。
・・・他の受講でも同じでオリジナルも受講内容の土台と
なったものとして学ばないと方法論で応用できません。
Contents
筋骨格系傷害について
今回は主に『肉離れ』・・・他外傷にも繋がる内容でした。
私自身がアキレス腱損傷・前十字靭帯損傷と左足を受傷・・・
軽い肉離れも豊園学区スポーツフェスティバルで受傷した
経験もあります。
・・・自身で3つも受傷があったので、身近な問題です。
主にスポーツ外傷として挙げられるもので、
最初の急性期は整形外科案件です。
当店で対応しているのは急性期➡組織再生が終わった後に
違和感が消えない、不正な動きが消えない・・・といった
段階の話になります。
初期でも出来る事はありますが、基本的に対応しません。
外傷・損傷が疑われる場合は整形外科で診断を受けるよう
お伝えしています。
ACL再建を経験した立場から
受講の中で、ACL再建を半腱様筋を用いて行った場合に
起こりえる筋活動の変化について言及がありました。
確かに半腱様筋が除去されて内側の強度が減少した分を
外側の筋力で補われている感覚はありますし、
膝の動きの問題もあり、完全に健側と同じとは言えません。
それが要因のひとつとなり、今の不正動作や体幹部・足部の
違和感やバランスの悪さに繋がるとしたら同じような方には
共感したうえで、力になれると思います。
自分の場合は、OPEまでに保存療法の期間が約半年、
筋力が低下してのOPEだった事も影響しました。
術後のリハビリが順調に進んだとも言えなかったので、
・上記が原因で起きた問題なのか?
・皆がそうなのか?
と考えたこともあります。今回、傾向として皆にある
と明確になった事で自分だけ?の疑問が解決しました。
筋骨格系傷害の再発を予防するために
組織としてみた時に
http://www.i-l-fitness-jp.com/comment/sa/se-superficial-fascia.htmlより
皮下には筋肉・骨だけではなく様々な要素で構成されています。
これが受傷して再構築すると、また構造が変わります。
受傷部位の組織が再構築されているのが必要ですが、
組織自体は完全に元通りになる訳ではありません。
損傷➡炎症➡再構築のプロセスで形成される組織は
線維の多い固い組織(繊維化した状態)で構築されます。
構造体として見る場合、線維化した部分は従来と
同じように伸縮されません。
同じ伸び量を得るためには長軸上の他の場所・他部位で
伸びや動きを補わせる必要があります。
↓↓
その結果、不正動作や動き・力伝達の変化に繋がります。
これが他部位の違和感に繋がるケースもあります。
ただ接着剤としての機能も持ち合わせているので、
線維化した組織を壊すわけにもいきません。
(むしろ壊せません)
ただし、性状・機能的な変化を促すことで動きを変えていく
といった提案は可能です。
↓↓
その為には動作観察からの現状把握が絶対に必要です。
これに関して姿勢についても同様の事がいえます。
近々、投稿します。
感覚の観点から
身体には受容器と呼ばれるセンサの役割をしているものが
各所にあります。圧・振動・冷温・触・・・などを感知しています。
受傷することで周辺の状態や動きが変わりますが、感知される
情報にも影響してきます。
神経の観点から、感知の変化は運動に影響します。
運動は『現状の情報に応じてどう動くか?』が判断されます。
正しく現状把握が出来なければ、運動も正しい判断が出来ません。
理想動作が遂行できない場合は、脳で関節や筋肉と身体の状態を
正確に認知出来ていないのかもしれません。
神経経路のどこで伝達に不具合が起きているのか?を把握して
問題のあった部位・組織への対応が必要になります。
提供にどう活かしていくか??
今回は特に関節の位置覚をどう捉えてアプローチしていくか?
といった内容でしたが、感覚受容器へのアプローチは別手法が
あります。
今回の受講内容だけでなく様々な手法の組み合わせで提供が
必要となります。評価によって組織・機能の問題を把握して
問題を起こしている要因に対してアプローチします。
『〇〇すれば解決』の表記を見掛ける事が多いです。
要因だけでなく、年齢などの影響で状態は異なりますし、
安直に「これだけすれば!」で解決する事はありません。
どんな状況でも単一の手法だけで対応出来ることはありません。
大切なのは、Whoを除いた『4W1H』で要因を探っていく事です。
要因も絞り込まずに全身に施術、まぐれ当たりを狙っていくのは
逆にハズレを当てて悪化させる場合もある悪手です。
前述した感覚・組織などの観点によっても施術が異なるのは
分かると思いますが、そこから更に細分化されるので
『〇〇すれば解決』と安易な記述はできません。
筋活動、関節可動域などから力学的にどうか?など動きを見ながら
要因を絞り込み施術を組み立てます。
一方で、来店者さんの『どう良くなりたいか?』も重要で
此方からの一方的な提供にはならない事も大切です。
科学的な視点もつくっていく
勉強会に通い始めてから、科学的視点に目を向ける・
一次情報に遡ると話をされる機会が増えています。
前述のACL再建後の筋活動も筋電図などの観察の話で
誰かの主観を基にした話ではありません。
勿論、傾向から外れる方もおられ、断言はできないでしょう。
技術の練達、来店者の意向は勿論重要ですが、
それだけでなく科学も含めた三位一体にする事が
より良い提供になっていく。
他DCの勉強会でも言われることですが、最初に伺ったのが
6年前の名古屋シリーズセミナーでした。
団体所属の頃は主に『技術の練達』に重きが置かれていました。
結果、解剖生理・運動・神経といった基礎が疎かになってしまい
勉強会に通い始めた当初はさっぱり分りませんでした。
初期に組んだ方が呆れていた理由は分かりますし、私にとっても
トラウマになるレベルで勉強して解るようにならないとと
決意したキッカケになりました。
今では勉強会でもお話しする方ですが、最近まで相手にもされない
のでは?と怖くて仕方ありませんでした。
少しずつ土台となる基礎をつくり、3つの土台を広げていく・・・
そして、より良い提供に繋げていく事が教わってきた恩返しに
なると思っています。
あとがき
今では20、30代の方を中心に勉強会に参加すれば話し、
連絡を取り合える仲間といえる有資格者の方々もいます。
本当にあの時に飛び込んで、??が並びながらも通っては
打ちのめされて勉強して練習して・・・を繰り返してきて
本当に良かったと思います。